きものは、天から授かったお蚕さんからできているんです。一匹二匹ではなく一頭二頭と数えるんです。
天から授かった貴重な虫ということで蚕という字を書きます。 そして、蚕は「飼い蚕(こ)」つまり、人間が飼育する虫であるのです。 戦前まで、日本の農家の多くが養蚕をしていました。田畑の収入の他に、養蚕は現金収入につながる重要な副業だったのです。 そのため「お蚕さん」と敬称をつけて呼ばれていました。
では、その蚕がどのように繭を作り、それから生糸が作られるのかを簡単にまとめますと、 種紙に産み付けられた1mmほどの卵は、冷蔵保存されていて必要な時期に取り出します。適温に保つと2週間くらいで3mmほどの幼虫となり桑の葉を食べながら、約1ヶ月間で4回脱皮し、4~5cmに成長します。 やがて、体が透き通ってくると、頭を8の字に振りながら糸を吐き、楕円形の繭を作り始めます。その繭の中で、蚕はさなぎとなり、2~3週間で蛾になって、繭を破って出て行きます。 しかし、繭を破られては生糸に出来ないので、繭が出来るとすぐ工場で熱処理、冷蔵処理などさなぎに犠牲になってもらう処理をします。それはさなぎを殺すだけでなく繭やさなぎの水分を取り去ってカビを防ぐためでもあります。 繭を湯の中で煮ると、繭がほぐれてきて糸口が出てきます。これを4~7本集め、1本にまとめて引き出し、軽くよりを掛けた物が生糸です。 1粒の繭から約1500mの生糸が引け、1反のきもの地には、約3000粒の繭が使われます。その他帯や小物まで正絹だとやく10000粒の繭が必要になってくるのです。
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